◇ 奇跡の価値は
襲い来る空腹感と戦う日々の中、眼鏡をかけ、PC画面でネット検索する。文字がぼやけて何も見えない!なんだこれは!?ついに視神経に悪影響がでたのかと慄く僕。速攻で、眼科へ。
受付を済まし、問診票の記入する。文字がぼやけて何も見えない!むしろ、眼鏡をはずしたほうが見やすい。あくせくしながら糖尿病治療中と記入する。まずは、眼鏡をかけての視力検査。見えない。上から2番目が見えない…。「これだと視力0.1以下です」の声。奈落の底に落とされた気分だ…。眼鏡着用時、両眼で0.7はあったはずだ。ショック、大ショックだ。参号機のエントリープラグごと握り潰しまったくらいショックなのだ。続いて、「眼鏡を外して測ってみましょう」の声。見える!?見えるぞー!1番下くらいまでよく見える!!どういうことだ?頭が混乱する。「裸眼だと視力1.5ですね」はぁ!?どうゆうこと?「視力上がってますね」意味がわからない。診察にてお医者さんに言われた。「糖尿病治療中は血糖値の関係で視力が上がることがありますよ」とのこと。まさに奇跡だ。

何年も眼鏡が欠かせない生活を送ってきた僕にとって、天にも昇るような気分だった。が続いて「ただ、治療が落ち着いてくると元に戻りますよ」と言われてしまった。眼鏡を外し、車で帰路につく。いつもと違って景色がハッキリ見える。眼鏡をかけずに運転できる世界線は素晴らしい。
それからというもの、眼鏡をかけずによい生活を愉しむ。奇しくも季節は、10月。花粉の心配も無く、裸眼生活を謳歌。PC画面の文字もよく見える!運転中の看板も見える!遠くまでよく見える!こんな生活がずっと続けばいいのにな〜。
1ヶ月後、お医者さんの言うとおり裸眼生活は終わりを告げる。

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